
「お先真っ暗やった」──当時を振り返って、西山社長はそう言った。 Instagram のフォロワーは 3,000 人から一切動かない。商品写真を上げるだけの SNS に手応えがなく、マスクバブルが終わってからは売上ダウンも止まらない。そんな状況から 2 年半。今や東大阪のファミリー向け雑貨店「ファミリーショップクルマヤ」は、Instagram フォロワー 41,000 人・TikTok フォロワー 21,000人(総フォロワー 62,000人)、若江店の年間売上は 3.5 億円を超えた。何が変わって、何が変わらなかったのか。
事例サマリー
項目 | 内容 |
|---|---|
店舗名 | |
業種 | ファミリー向け雑貨店(キャラクター雑貨中心) |
所在地 | 大阪府東大阪市 |
店舗規模 | 2店舗(若江店・約200坪、香芝店) |
課題 | ・マスクバブル終了後の売上ダウンが止まらない |
支援内容 | SNS運用支援サービス「&マーケ」 |
お取り組みの成果【定量】 | ・Instagramフォロワー:3,000→41,000人 |
お取り組みの成果【定性】 | ・遠方(車で1時間圏内)からの来店が日常化 |
お取り組み期間 | 2023年11月〜現在(約2年半) |
東大阪の「ファミリーの店」──地域に根ざした雑貨店
大阪府東大阪市にある「ファミリーショップクルマヤ」は、キャラクター雑貨を中心に日用雑貨・生活用品まで幅広く扱うファミリー向けの雑貨店だ。若江店は約 200 坪。2 店舗を構え、地域に長く根ざしてきた。
西山社長は商品への目利きに自信があり、ライブ販売や仕入れ交渉にも積極的だ。「うちの強みはわかってる。でも、どう伝えるかがわからなかった」──それが、SNS に向き合う前の偽らざる本音だった。
変化の前──頭打ちのフォロワーと、見えない出口
SNS を始めたのは ANDGIVE との取り組みより前の話だ。スタッフが商品写真を投稿していた。「個人的なことも書いてとは言ってたけど、なかなかうまくいかんかったな」と西山社長は振り返る。
Instagram フォロワーは 3,000 人で完全に頭打ち。まったく動かなかった。
西山社長:
「3,000 人から 5,000 人になんてとても見えへんかった。次の段階が全く見えへんかったよな」
LINE のフォロワーは 1.5〜1.6 万人いた。でも反応は悪かった。チラシも当時からほとんどやっていなかった。頼れる手段が次々と手応えをなくしていく中、追い打ちをかけたのがマスクバブルの終焉だった。
売上ダウンが止まらない。先行きが見えない。「お先真っ暗やったな、ほんまに」──その言葉が、当時の空気を正直に伝えている。
転機──「紹介」から始まった、アカウントの設計
ANDGIVE とのきっかけは、知り合いの動画制作会社社長からの紹介だった。最初から「これだ」と確信があったわけではない。ただ、「このままでは変わらない」という危機感は明確にあった。
取り組みが始まったのは 2023 年 11 月。まず徹底的にこだわったのが、アカウントのコンセプト設計だった。
西山社長:
「商品をアップするだけでは誰も見ない。それは自分でやってみて痛感してた」
クルマヤの強みはどこにあるか。どんな人に来てほしいか。どんな「顔」で SNS に立つか──それを丁寧に決めていった。そして誕生したのが「ミニオン社長」というキャラクターだ。
実際のSNS運用の裏側▼
実際に変えたこと──コンセプト、キャラクター、データ
運用が変わったのは、投稿の内容だけではなかった。
データを見ながら次の動画を考える。毎月「来月これで行きましょう」という会話を ANDGIVE のディレクターと重ねる。西山社長自身も意見を出しながら、二人三脚で企画を作っていった。
西山社長:
「ちゃんと分析して考えてくれてるから。俺も自分なりに考えて意見出して、それでうまくできてると思う」
戦略的なアプローチも明確だった。クルマヤはプール用品が得意だ。だから最初のバズを「プール開き動画」で狙う、という作戦を最初から立てた。
西山社長:
「プール得意やからそこでバズらそうって作戦で最初から来とったからね。それは間違いなく作戦やった」
その読みは当たった。プール開き投稿で最初の大きな波を作り、そこからフォロワーが急加速した。
起きた変化──総フォロワー 62,000 人と、年間 3.5 億円超の売上

最初の半年は苦労した。Instagramは3,000 人から 5,000 人程度で、伸びが実感しにくい時期もあった。
転機になったのは、プール動画が爆発的にバズったタイミングだ。そこからフォロワーが急伸し、現在の Instagram フォロワーは 41,000 人。TikTok も 0 から 21,000 人に成長した。TikTok のトップ動画は再生回数 100万回以上を記録している。
来店数・売上も着実に変化した。若江店の年間売上は前年比約 140%(2 億 1,400 万円→3.5 億円超)。年間来店客数は前年比約 130%(83,173 人→107,769 人)と、いずれも大きく伸びている。
さらに、ライブ販売は年間数千万円規模まで成長した。「普通の 1 店舗分の売り上げは軽く出てる」という状態になり、実質的に 3 店舗分のビジネスが動いている。
印象に残っている出来事──「ミニオン社長!」と呼ばれる日常
―― 印象に残ってる出来事はありますか?
西山社長:
「印象に残ってる出来事?いっぱいありすぎてわかれへんわ」
TikTok を見て遠方から来るお客さんは、今や日常だ。車で 1 時間──和歌山、京都、高槻、堺、奈良、兵庫──そういったエリアから来るのは「普通」になった。
帽子を被って店内に立っていると、「ミニオン社長!」と声がかかる。帽子を脱いでも、やっぱり声がかかる。子供たちからは「写真撮ろう」「握手して」と求められる。Instagram のハイライトには子供との写真が 100 枚を超えた。
そして、こんな問い合わせも届いた。
「お母さんがミニオン社長のファンで、誕生日なので簡単でいいので動画作ってもらえますか」
西山社長:
「名前呼ぶだけでいいなら、荒いビデオでよければすぐ作りますって返事した」
商品を売るだけではたどり着けない、「人に会いに来る」という来店体験がそこにはある。
この事例の本質──コンセプトと現場の「一致」が、すべてだった
西山社長が、同じように悩む店舗さんへのアドバイスで真っ先に挙げたのは「アカウントのコンセプト」だった。
西山社長:
「商品のアピールするだけでは伸びることないしな。アカウントのコンセプトと現場の売り場が一致すれば、売り上げは上がる。それはもう本当に間違いない」
コンセプトが合っていなければ、どれだけ動画を撮っても伸びない。逆に言えば、コンセプトが決まれば、あとは現場との一致を積み上げるだけだ。
西山社長自身が深夜 2 時まで店にいて段取りを終わらせ、データを見て翌月の企画を一緒に考える。「動画と現場の一致」は、単なる言葉ではなく、毎日の行動の積み重ねで生まれている。
同じ悩みを持つ店舗さんへ
西山社長:
「商品アップだけの SNS では伸びない。自分でやってみて、それは痛感した」
「最初はお金かかるけど、プロに頼んでちゃんとコンセプト設計して、現場と一致させれば、絶対に効果はある。みんなそれで結果出てるから」
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同じように
● SNS をやっているのにフォロワーが増えない
● 売上が右肩下がりで先が見えない
● 商品アップだけで、何を変えればいいかわからない
そんな店舗さんは、一度相談してみてください。
編集後記
「印象に残ってることはいっぱいありすぎて」──その言葉が、この 2 年半の密度を物語っていた。年間 3 億円という数字の裏に、深夜まで店にいる社長と、それを支えるスタッフたちがいる。「動画と現場の一致」は、泥臭い努力があってこそだと改めて感じた。
動画で詳しく見る▼
2年半の取り組みを密着動画で公開しています。

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